エコ動画甲子園

加藤三郎実行委員長からのメッセージ

若者のユニークかつ柔軟な発想力で、環境問題解決のヒントを

私はこれまで半世紀以上にわたり、公害・環境対策の仕事に携わってきました。

そのうちの前半は、国の公務員として大気汚染、水質汚濁、新幹線や飛行機の騒音問題、廃棄物問題などの公害対策に全力を挙げ、公務員として過ごした最後の4年間は、地球温暖化問題を直接担当しました。その中で「この地球環境問題を解決するには、公害対策の時のような手法では上手く行かない」ということに気づいたのです。

なぜなら温暖化などの地球環境問題は、20世紀から現在まで、日本を含む世界中の国が追い求めてきた豊かさや便利さのための大量生産・大量消費、つまり都市・工業文明と深く関わる問題だから。このような文明の問題に公務員の立場で真正面から取り組むことは難しい。そう考え、53歳の時に環境庁の地球環境部長の職を最後に、今のNPO生活に入りました。

NPO生活も、もう26年になります。その間、さまざまなところに出向き、地球環境問題の脅威やそれに対処する方策などについて語ったり、新聞・雑誌に論文やエッセイを書いたり、シンポジウム・ワークショップなどを繰り返し行ったりと、活動を継続してきました。ただ、ふと気がつくと、私たちの話に耳を傾けてくれるのは、ほとんどが中高年齢層であり、皆さんのような若者はいたとしてもほんの少数。「これは何とかしなければ」という思いが年を追うごとに募ってきました。なぜかというと、現在起こっている気候異変、生物の絶滅、身の回りに蔓延する化学物質の影響などを本格的に受けるのは、皆さんのような若い人たちだからです。

私には、皆さんが社会に出て、子供を持ち、仕事に精を出すころに、地球環境の異変が容赦なく襲ってくるという事態はどうしても避けたいという思いがあります。その為には、何とか若い人たちに環境問題に関心を持ってもらうと同時に、その若くユニークな視点や感性を環境問題解決のために活かしてもらいたいと、以前より願ってきました。そんな願いからスタートしたのが、この「エコ動画甲子園」のプロジェクトです。

今年はその第一回目になります。ぜひ多くの高校生にご参加いただき、皆さんが今後生涯にわたって共存することになる地球や環境と、今のうちから向き合ってもらいたいと考えています。そして、その若者ならではの柔軟な発想力で、この地球規模の課題の解決につながるヒントや、大人には考えが及ばないユニークなアイデアなどをどんどん提案していただけたらと思います。

皆さんからの素晴らしい作品に心から期待しています。